私が建築にたずさわる仕事をすることとなった理由のひとつである
“日本の城”について昔の写真と共にご紹介したいと思います。
中学卒業制作のアルバム 昭和55年制作(左:丸亀城天守版画 右:名古屋城金鯱版画)
初めて日本の城に興味を持ったのは、小学4年の時に宇和島からの
転校生の影響で好きになりました。
丸亀城天守 昭和55年1月2日撮影
名古屋城絵葉書外カバー 昭和52年10月小学校の修学旅行土産
彼から城の本を見せてもらって、どんどん城のことが大好きになって
いきました。確か、学校でも見ていた記憶があるので、ランドセルにそ
の本を入れていたように思います。
大阪城天守 昭和52年撮影
城好きの人はだいたい戦国時代の武将や戦略など歴史的な観点か
ら好きな人が多く、私の場合は歴史が入口ではなかった為、戦(いくさ)
や築造時期や築造主など詳しく知らない事が多かったため恥ずかしか
った事を憶えています。(今もですが・・・)
ではなぜ私は城を好きになったのでしょうか?
子供のころ、野球・ベッタン・コマ鬼(まわしたコマを空中で手に受け廻
っている間だけ逃げたり追っかけたりできる鬼ごっこ)・ビー玉・虫採り・
釣り・相撲・探偵・プロレスごっこ・大型ゴミ収集場での宝探しなど、限り
なく遊ぶことがありすぎて忙しいぐらいの少年時代をすごし(今のこども
たちがある意味かわいそう)、雨の日など家にいる時間は絵を描いた
り、毎月300円のお小遣いでTAMIYAの軍艦のプラモデルを造っていま
した。何せ、作る・描くのが外で遊ぶ次に好きでした。
岸和田城天守 昭和53年3月29日撮影
しかし、絵を描くのでも新幹線(当時0系)などは造形は美しいのです
が単純な形の為、書いていてすぐ飽きていました。 軍艦はプラモのケー
スに描かれている絵や日本連合艦隊の本の絵を元に “戦艦長門”
や “戦艦大和” を描いていました。軍艦の次にマイブームとなったの
が “日本の城” でした。共通するものは何かと考えると、造形が美し
いだけでなく造り・構造が複雑で描きごたえがあり、納得の仕上りで書
きあげたときの喜びとその絵を何度も見てその美しい造形の絵をかみ
しめる喜びを感じれる対象だったのだと思います。
松本城天守スケッチ 平成4年9月11日 (友人とパラグライダー旅行で立寄り)
上:姫木平キャンプ場スケッチ 下:白樺湖スケッチ 平成4年9月10日
もう一つの理由として、何年か前に城の本に書かれていた内容ですが
“昔、日本人は富士山を崇拝するところがあり、遺伝子の中に末広が
りなものを好むものが昔からある。それが日本建築の末広がりな造形
を好むところがあるようだ。” (もっと感動的な文面だったのですが)
と書かれてあり、永年不思議に思っていたことが解かった気がして、こ
の末広がりな造形である “日本の城が好きだ” という感覚を大事に
したいと感じました。
大阪城模型 平成26年8月制作着手で未完成
住吉区でリフォームをしています、晃陽リフォームの渡邉でした。